皮膚は第3の脳

 小児鍼は子供の皮膚への刺激、それもとても軽い刺激です。

小児鍼は刺さない専用の鍼で皮膚を優しくなでるだけなので、とても簡単そうに見えます。

でも実は大人への鍼より難しいです。

 

 子供の皮膚はとても柔らかく、大人のようにわかりやすい反応が出ていないことが多いです。

とても微妙な皮膚の変化を鍼灸師が指で感じて読み取るためには、かなり訓練が必要です。

私も八尾に本部がある大師流小児鍼で、子供の皮膚を読むこと、子供への接し方など、厳しく、でも丁寧に指導いただきました。

 

「子供の脳は肌にある」(光文社新書)には、「皮膚は露出した脳であると言われていて、脳を育むためには皮膚へ直接刺激するのがよい」ことが書かれています。

 そして、「頭」「心」「体」どれを優先的に育てたいか?という問いには、体を育むことで心が育まれ、心が育まれてこそ、意欲を持って知的活動へ向かえること、体を育むために皮膚への刺激、タッチケアやスキンシップが大切であることが書かれていました。

 

 皮膚は第3の脳とも言われ、人の受精卵から細胞分裂する際のルーツが脳と同じ、心ともつながっていると言われます。

 

 実際、小児鍼で適切な刺激を行うと、こちらが驚くほど症状がすぐに改善されることが多いです。

 

 皮膚への刺激は脳神経への刺激となるのですが、特に6歳くらいまでは脳神経が完全に大人の神経組織になっていないので、何かの原因で神経細胞が遮断されても神経回路は修復されます。

 

 ですから、お子さんの発達の遅れなどで不安を抱えておられるお父さんやお母さんにも、小児鍼をおすすめしたいと思っています。

 

2017年11月27日