小児鍼で脳と心を整えるーオキシトシンの効用ー

 鍼灸専門学校時代の尊敬する先生からおすすめいただいた本「皮膚は『心』を持っていた!」を読み、改めて心地よい皮膚刺激の大切さ、スキンシップの大切さを感じました。。


 皮膚は第二の脳とも言われ、皮膚に心地よく触れられることで、心が安定し、自律神経が整い、脳にしっかり影響することが書かれています。

皮膚の感覚というのは、目で見るより、耳で聞くより信頼でき、目はごまかせても皮膚はごまかせないというのは、何となく理解でき、しっくりきます。

 

 心地よい触れ方として手の角度が重要と書かれていて、それが大師流小児鍼で習った小児鍼を施術するときの角度と似ていました。

心地よい触れ方をすると、脳から神経伝達物質のオキシトシンが出て、信頼や愛情、安らぎを生みます。だからオキシトシンは「絆ホルモン」と言われているそうです。

 

 さらにオキシトシンは、成長ホルモンを分泌したり、性格が穏やかにしたり、学習や記憶を促す作用もあるようで、子育てにはとても重要なホルモンです。

 

 優しく触れることや抱っこでオキシトシンは分泌されます。子供が小さいときにはたくさん抱っこして、触れてあげてください。

自閉症や多動性障害の子供にも触れることで良い方向につながるようです。

 

 思春期になると、親からベタベタ触れられるのは嫌がるものの、まだ「触れられたい」要求はあり、触れ方にコツがあるそうです。

「頑張れよ」という感じで肩を軽くたたいたり、運動や勉強で疲れた体をマッサージしてあげるのが良いと書かれています。


 小児鍼も心地よい皮膚刺激により、オキシトシンが出ると言われていますが、この本を読んでから、小児鍼を施術するときには今まで以上に「オキシトシン、オキシトシン」と意識するようになりました。

 

 

2018年01月30日