なぜ小児鍼?こども医療費無料の時代に

 国民皆保険制度ができるまでは小児鍼は今よりずっと盛んだったようです。

現在ではさらに、子供の医療費助成も拡大傾向で、和歌山市では平成28年から中学卒業までの子供の医療費助成の対象になりました。

 

 子供の医療費が助成される現在にどうして小児鍼をおすすめするのか?

 

 1つは、病気ではなく、病院に行くほどではないと思われている症状に対してです。

例えば、夜泣きやキーキー声、噛みつき、癇癪や物を投げるなどの疳むし症状は、小児神経症と言われ、一時的なものであると言われます。

しかし、親にとっては、夜泣きはとても辛いものですし、キーキー声や癇癪なども子供自身も体と心がしんどくて出るものです。

せっかくの子供が小さくて可愛い大事な時代に親も子もイライラしながら過ごすのはつらいことだと思います。

歯ぎしりやチック症状も同じく、子供の体と心からのサインなのです。

 

 2つめは、慢性症状の改善です。

小児鍼だけでなく、鍼灸治療全般に言えることですが、体質を改善して症状を治癒させていきます。

便秘、下痢、鼻炎、中耳炎、アトピー性皮膚炎、夜尿症、喘息、風邪をひきやすい、よく口内炎ができるなど、体質から強くしたほうが良い場合、体質改善をして症状も治していきます。小児科と併用される方もいれば、小児鍼だけの方もいます。

 

 他にも、小児科に行くか迷うような軽い症状に対してもおすすめできます。

例えば、「ちょっと耳が痛い」と言っているような場合。耳鼻科に行くかどうか、様子を見ようかと思うような場合。また、熱は出ていないけど、頭が痛いと言っている、少し喉が痛いと言っているような場合。

 

 1つ1つの症状の詳細はまた別の機会に書きたいと思いますが、病院に行くほどではない、また病気ではないけれども気になる症状、辛い症状、体質から改善したい慢性症状に対して小児鍼はおすすめできます。さらに薬の副作用が心配な方にもおすすめできます。

 

 私自身、自分の子供の不調はたいてい小児鍼だけで治しています。

残念ながら赤ちゃんのときは小児鍼を習得しておらず、夜泣きに悩まされていましたが、風邪、鼻づまり、チック、歯ぎしり、中耳炎、頭痛、腹痛などはすべて小児鍼で治療、病院にほとんど行かないです。

 

 小児鍼は、子供自身が持つ自然治癒力を高めたり、自律神経を安定させて、健全に健康に子供が育っていくお手伝いができると思っています。

 

2017年07月18日